湖南衛生組合の議員報酬・給与見直しの軌跡
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安竹洋平は小平市の代表として、湖南衛生組合議会の議員を務めています。湖南衛生組合は7市でし尿処理を担う一部事務組合ですが、搬入量はピーク時の約1,000分の7にまで減少しました。にもかかわらず議員報酬は月額制のまま20年以上据え置かれています。
安竹はこの報酬と特別職の職員の給与を見直すため、令和8年9月7日付で議員提出議案2件の説明資料を作成し、各議員と管理者・副管理者へ送付しました。本ページは、その説明資料「湖南衛生組合議会 議員の報酬及び特別職の職員の給与の見直しに関する説明資料」の内容を掲載するものです。
本組合議会は次のような開催実績です。
- 年2回開催のみ
- 1回あたり開催時間は2時間未満
- 移動時間を含めても1回あたり最大約4時間(半日相当)
- 年間の拘束時間は延べ約8時間
現行報酬の時給換算(通勤時間を含む)
Section titled “現行報酬の時給換算(通勤時間を含む)”組合施設は玉川上水(武蔵村山市)にあります。構成市(立川市、武蔵野市、小金井市、小平市、国分寺市、東大和市、武蔵村山市)からの移動には、往復で最大約2時間(武蔵野市が最遠、公共交通機関+徒歩)を要します。会議2時間と合わせて、1回あたり半日(4時間)の拘束と見積もります。
次の表に示すとおり、時給換算では東京都最低賃金(1,280円・本年10月から)の約33〜50倍、国家公務員の超過勤務手当(平均で約2,890円・令和8年)の約15〜22倍の水準です。通勤時間を最大限に見積もっても、この水準の高さは変わりません。
| 役職 | 年額報酬 | 時給換算(年8時間) | 東京都最低賃金比 | 国家公務員超過勤務手当比 |
|---|---|---|---|---|
| 議長 | 420,000円 | 52,500円 | 約41倍 | 約18倍 |
| 副議長 | 360,000円 | 45,000円 | 約35倍 | 約16倍 |
| 議員 | 336,000円 | 42,000円 | 約33倍 | 約15倍 |
| 管理者 | 516,000円 | 64,500円 | 約50倍 | 約22倍 |
| 副管理者 | 420,000円 | 52,500円 | 約41倍 | 約18倍 |
[注記]時給換算は、組合議会への出席(年2回・移動を含め各約4時間)のみを基準としたものです。管理者・副管理者には、これに加えて管理者が招集する会議(正副管理者会議等)への出席があります。
数字で見る実態
Section titled “数字で見る実態”次のグラフに、本組合の事業規模と議員報酬を示しました。横軸を「年度」とし、左縦軸を「年間し尿量(単位はメガリットル=1,000kL)」、右縦軸を「議員報酬(月額)」として、昭和36年度から令和7年度までの状況をプロットしてあります。
昭和46年ごろから事業規模(年間し尿処理能力と同搬入量)は激減しています。そのため、管理運営に要する労力・専門性は大幅に低下したものと考えられます。しかし報酬は平成4年度まで上がり続け、平成13年度に少し下がりましたが、それ以降20年以上改定がなく据え置きのままです。物価スライドを考慮しても、この状況は変わりません。管理者の給与も、まったく同様の状況にあります。
こちらはグラフにプロットした数値を表にしたものです。ご参考までに、し尿処理場費の決算額も記入しました。数値に基づき、もう少し詳しく解説いたします。
3-1. 事業規模の激減
Section titled “3-1. 事業規模の激減”ピーク時の昭和46年度と令和6年度(決算値)を比較すると、処理能力は約100分の1(1.2%)、搬入量は約1,000分の7(0.7%)に激減しています。
平成19年度には処理量が6kL/日程度と大幅に減少したことから、処理方式も平成20年度にかつての嫌気性消化方式から前処理希釈方式へと大きく簡素化されました。組合議員や特別職に必要な労力や専門性は、昭和46年ごろと比べて著しく低下していると言えます。
3-2. 報酬の上昇と高止まり
Section titled “3-2. 報酬の上昇と高止まり”平成4年度には報酬及び給与は最高額に達した後、平成13年度の改正で引き下げられ、以降20年以上据え置きの状況です。事業の規模が大幅に縮小されている一方、報酬と給与は上昇し、高止まりしていることとなります。
なお、前のグラフと表には、令和7年度を100とした場合の物価を反映した議員報酬の推移も示しています。物価を考慮しても状況は変わりません。
同種の一部事務組合との比較
Section titled “同種の一部事務組合との比較”報酬の妥当性は、これまでお示しした本組合自身の会議実態(年間約8時間)や事業規模(ピーク時の約100分の1や1,000分の7)を踏まえて判断するものと考えています。
本章で組合間の比較をしますが、これは「ほかの組合がこうだから本組合もこうすべき」と主張するためのものではありません。「月額制が一般的」「報酬は相場の範囲内」「事業規模なりの報酬」といった見方があるとすれば、本組合の水準は当てはまらないことをご確認いただくためのものです。
次のグラフは、本組合と、関東圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)にあるし尿処理を担う一部事務組合を比べたものです。調査した限りの主要な一部事務組合ですので、ほかにも同様の一部事務組合があるかもしれません。
このグラフを見ると、本組合は処理能力がもっとも低い(7kL/日)のに、報酬額は上位4位に位置します。ここで上位3組合は、し尿処理専業ではなく、ごみ処理も担っています。
し尿処理だけを担っている専業の衛生組合に絞ると、次のグラフになります。ほかの衛生組合と比べ、本組合の報酬が突出している状況がご確認いただけると思います。
[注記]これらのグラフでは、年額報酬制と月額報酬制の組合を比較するため、後者についてはその月額を12倍したものを年額として掲載しています。
4-1. し尿処理を担う他組合の報酬一覧
Section titled “4-1. し尿処理を担う他組合の報酬一覧”月額制の組合(単位・円)
次の表に、月額報酬制を採用している組合を報酬額順に並べました。
今回調査した衛生組合の中で、本組合の報酬額は4位に位置します。上位3組合(多摩川・蕨戸田・柳泉園)はいずれもごみ処理等の大規模事業を併設しており、し尿の処理量だけでも本組合を大きく上回っているため、単純な金額比較の対象にはなりません。
し尿処理だけを行っている専業の衛生組合に限ると、本組合の報酬額は1位となります。報酬額2位の上尾、桶川、伊奈衛生組合や3位の入間西部衛生組合は、処理能力が本組合(7kL/日)と比べて桁違いに大きいのですが、報酬は本組合の方が大きいという逆転の状況です。
「処理量」と「報酬」の関係が逆転していることは、本組合の現行報酬が過大となっていることを示しています。また、事業規模と報酬額は相関していないということも示しています。
なお、東京二十三区清掃一部事務組合は23区のごみ処理が主体の組合です。品川清掃作業所(処理能力100kL/日)で区部のし尿・浄化槽汚泥等も処理しており、期末手当(年2回・議長で年約149,400円)を別途支給しています。
同組合の執行機関の長である管理者は23区の区長が務めており、組合からの報酬は条例上支給しないこととされています(費用弁償としての旅費のみ)。議会側の議員には報酬を支給しつつ、執行機関の管理者には支払わないという制度設計です。
年額制の組合(月額換算を併記、単位・円)
次の表は、年額報酬制を採用している組合の一覧です。本組合と比べて処理能力は約5〜28倍大きいにもかかわらず、報酬額は本組合の約3/100〜1/5程度です。
千葉県の香取広域市町村圏事務組合は、牧野し尿処理場(109kL/日、湖南の約16倍)を運営しながら、議長・副議長・議員・管理者の報酬をすべて年額14,000円としています。本組合よりはるかに多くの処理を担う組合の報酬が本組合と同水準かそれ以下であることは、本組合の報酬が処理実態に見合っておらず突出していることを示しています。
[注記]上記2表の処理能力は各組合の公表資料(組合HP・処理計画等)によります(令和8年9月時点)。坂戸地区は400kL/日のうち200kLが休止中です。高座清掃施設組合の48kL/日は、同組合の水処理施設(し尿10kL/日+浄化槽汚泥38kL/日)の処理能力です。
4-2. 小村大との比較
Section titled “4-2. 小村大との比較”報酬改定のタイミングは小平・村山・大和衛生組合(小村大)に合わせているという話もあるため、月額報酬額を比較すると、現在は次のとおりです。
| 役職 | 湖南衛生組合 | 小平・村山・大和衛生組合 | 超過率 |
|---|---|---|---|
| 議長 | 35,000円 | 18,000円 | +94%(約2倍) |
| 副議長 | 30,000円 | 15,000円 | +100%(2倍) |
| 議員 | 28,000円 | 13,000円 | +115%(2倍超) |
なお、小村大はごみ処理(焼却・資源化)が主体の組合で、し尿処理は行っていません。し尿処理が主体の本組合と比べてはるかに大規模な事業を担っていますが、それでもなお小村大の報酬は本組合の約半分です。
4-3. 年額制・日額制について
Section titled “4-3. 年額制・日額制について”関東圏にも、議長報酬を年額で支給する組合が複数あります。蓮田白岡衛生組合〔埼玉県〕70,000円、印西地区衛生組合〔千葉県〕63,000円、印旛衛生施設管理組合〔千葉県〕60,000円、東総衛生組合〔千葉県〕33,000円などです。
香取広域市町村圏事務組合(千葉県・牧野し尿処理場109kL/日)に至っては、議長・副議長・議員・管理者の報酬がすべて年額14,000円です。年額制は月額換算で約1,200〜6,500円に相当し、同種のし尿処理組合において月額制以外の制度が実在しています。
日額制への転換は、前例のないものではなく、合理的な制度選択のひとつと考えます。
改正案:月額制から日額制へ
Section titled “改正案:月額制から日額制へ”5-1. なぜ月額制をやめるのか
Section titled “5-1. なぜ月額制をやめるのか”月額報酬は、常時一定の職務があることを前提とした制度です。
| 月額制が想定する実態 | 本組合の実態 |
|---|---|
| 毎月1回以上の定例会議 | 年2回 |
| 日常的な執行業務 | 会議以外の実質的な業務は皆無 |
| 一定程度の拘束時間 | 年間8時間(移動含む) |
月額報酬を支払う前提は、現在の実態と合わなくなっています。
5-2. 組合制度の前提は、設立当時からどう変わったか
Section titled “5-2. 組合制度の前提は、設立当時からどう変わったか”し尿処理はもともと各市町村の固有事務です。本組合は昭和36年、し尿量が急増していた時代に「複数市で1か所に大規模な処理場をもつ」ために設立されました(昭和39年度までに処理能力309kL/日の施設を設置)。当時は処理場の用地確保や建設費の面で、組合による共同処理が合理的だったためです。
しかし、その前提は現在では大きく変わっています。
下水道の普及により、多摩地域全体のし尿収集量は令和2年度で年間約36,900kLにまで減少し、本組合の搬入量はピーク時の約1,000分の7です。
多摩地域では組合を経由しない処理が一般化しています。青梅市は自前の施設(青梅市し尿処理施設)で、福生市・瑞穂町・羽村市の分まで受け入れています。八王子市・町田市など11市が単独で処理しています。次は「東京都の汚水処理に関する広域化・共同化計画」の表4-3-3を引用したものです。
本組合自身も、平成26〜29年度の総合整備事業で都市計画上の「汚物処理場」を廃止し、現在は下水道への前処理希釈投入施設に転換しています。
それでも本組合が組合として存続するのは、各市にとって「既存の受け皿に搬入する方が、新たな処理手段を用意するより安い」からであると考えます。令和5年の立川市・国分寺市の加入も同じ理由によると考えます。つまり、組合であること自体に意義があるのではなく、施設の「受け皿機能」に意義がある状態です。
同じ多摩で、し尿処理(35kL/日)に加えてごみ焼却施設(105t×3炉)まで担う柳泉園組合のような組合と異なり、当湖南衛生組合はし尿処理だけを担う組合です。その処理量は7.0kL/日まで縮小しています。
さらに本組合の施設は、先述のとおり都市計画上の汚物処理場(廃掃法上のし尿処理施設)を廃止し、下水道への前処理・希釈投入施設に転換しています。東京都環境局の「一般廃棄物処理施設一覧(し尿処理施設)」にも掲載されていません。
なお、都内でし尿等(浄化槽汚泥を含む)の処理を行う一部事務組合は5つあります。多摩川・柳泉園・西秋川・本組合のほか、品川清掃作業所(下水道投入方式・100t/日)を運営する東京二十三区清掃一部事務組合(ごみ処理が主体)です。
このうち登録されたし尿処理施設をもつのは、多摩川・柳泉園・西秋川の3組合です。し尿処理を専業とする組合に限れば、登録処理施設をもたず下水道投入方式のみで存続するのは本組合だけです。
一部事務組合には、制度上、執行機関(管理者)と議決機関(組合議会)を置くことになっており、本組合も組合議会を置く形態です。このため、搬入量が約1,000分の7になっても「役職」自体は残ります。
しかし、組合という制度の形を維持するために役職が置かれていることと、その役職に対して事業実態と乖離した高額の月額報酬を支払い続けることは、分けて考えるべきものと考えます。実務量に応じた日額報酬とすることは、組合制度を維持しながら構成市・住民の負担を適正化する、合理的な選択のひとつと考えます。
5-3. 監査委員の報酬について(見直し対象外)
Section titled “5-3. 監査委員の報酬について(見直し対象外)”なお、監査委員の報酬は、今回の見直し対象としていません。理由は次の2点です。
① すでに日額制であるため:監査委員の報酬はすでに日額制(監査委員24,000円、議会選出の監査委員14,000円)で定められており、今回の改正の趣旨(月額制から日額制へ)に沿っています。このことは、日額制への転換が本組合に前例のない試みではないことも示しています。
② 監査という実質的な業務があるため:監査委員には、議会への出席とは別に、帳簿検査や監査報告書の作成という実質的な監査業務があります。会議出席のみが実態の議会とは職務内容が異なるため、日額に差があるのは合理的です。
5-4. 改正後の報酬
Section titled “5-4. 改正後の報酬”報酬日額は、武蔵村山市の審議会等の委員報酬(会長11,500円、委員11,000円)を基準とします。
| 役職 | 日額 | 議会出席2回のときの年額 | 現行年額 | 時給換算(4h) |
|---|---|---|---|---|
| 議長 | 11,500円 | 23,000円 | 420,000円 | 2,875円/h |
| 副議長 | 11,000円 | 22,000円 | 360,000円 | 2,750円/h |
| 議員 | 11,000円 | 22,000円 | 336,000円 | 2,750円/h |
| 管理者 | 12,000円 | 24,000円 | 516,000円 | 3,000円/h |
| 副管理者 | 11,500円 | 23,000円 | 420,000円 | 2,875円/h |
管理者・副管理者は、組合議会(年2回)に加えて、管理者が招集する会議(正副管理者会議・年4回程度)にも出席します。改正案では、その出席日数分の日額(管理者12,000円・副管理者11,500円)も加算されることとなります(改正後の給与条例第3条)。
なお、日額制のため、報酬は会議に出席した回数分のみを支給し、議会に出席しなかった場合は報酬を支給しないこととします。
5-5. 日額水準の考え方
Section titled “5-5. 日額水準の考え方”(1)武蔵村山市基準(本案)
Section titled “(1)武蔵村山市基準(本案)”武蔵村山市の「非常勤の特別職の職員の報酬及び費用弁償に関する条例」では、審議会等の委員報酬が次のとおり定められています。
| 役職 | 報酬 |
|---|---|
| 審議会 会長 | 11,500円 |
| 審議会 委員 | 11,000円 |
審議会等の委員は「年数回・1回数時間の会議に出席する非常勤の特別職」であり、本組合の議会(年2回・各2時間未満)と性質が酷似します。構成市である武蔵村山市(組合施設所在地)の実在する条例の数字を基準とすることにより、恣意性のない客観的な金額となるものと考えます。
各役職の対応関係は、議長を審議会会長相当(11,500円)、副議長及び議員を審議会委員相当(11,000円)、副管理者を管理者の補佐職として会長相当(11,500円)としました。管理者は執行機関の長として、会長相当に500円を加算して12,000円としています。
| 比較対象 | 日額 | 備考 |
|---|---|---|
| 武蔵村山市 審議会会長 | 11,500円 ① | 議長の基準 |
| 武蔵村山市 審議会委員 | 11,000円 ② | 議員の基準 |
| 本組合 議長(改正案) | 11,500円 | ①と同額 |
| 本組合 議員(改正案) | 11,000円 | ②と同額 |
なお、本組合は従来、職員(会計年度任用職員等)の報酬及び勤務条件について、原則として所在地である武蔵村山市の例に倣って整備してきていると組合議会で明言しています。令和7年度第2回・令和8年度第1回定例会会議録に記録されています。議員報酬及び特別職の職員の給与についても武蔵村山市を基準とすることは、本組合の従来からの整備方針と整合的と考えます。
(2)参考:超過勤務手当ベースの代替案
Section titled “(2)参考:超過勤務手当ベースの代替案”日額の別案として、国家公務員の超過勤務手当(平均で約2,890円/h)を参考に、役職に応じた想定時給(2,000〜3,000円/h)に半日(4時間)の拘束を乗じて算出する方式も考えられます。
| 役職 | 想定時給 | 日額(×4h) |
|---|---|---|
| 議長 | 2,500円/h | 10,000円 |
| 議員 | 2,000円/h | 8,000円 |
| 管理者 | 3,000円/h | 12,000円 |
この方式は「労働の対価」としての理屈は明確です。しかし、金額の客観的根拠としては武蔵村山市基準(実在する条例の前例)に劣るものと考えます。両者を比較検討した結果、実在する公的な前例である武蔵村山市基準を採用し、提案することとしました。
| 視点 | 現状 |
|---|---|
| 会議頻度 | 年2回 |
| 1回あたり拘束時間 | 最長約4時間(移動含む) |
| 年間拘束時間 | 約8時間 |
| 議長の時給換算 | 52,500円/時間 |
| 東京都最低賃金 | 1,280円/時間(約33〜50倍の開き) |
| 事業規模 | ピーク時比で、処理能力は1/100、搬入量は約0.7/1,000 |
| 小村大との比較 | 議長で約2倍(湖南35,000円 vs 小村大18,000円) |
| 同種組合中の位置 | 月額制では上位4番目の高額(多摩川45,000円・蕨戸田44,200円・柳泉園36,000円に次ぐ)。し尿専業の組合では最高額(より高額な3組合はいずれもごみ処理等ほかの大規模事業を併設) |
| 事業規模と報酬の逆転 | 処理能力が印旛の約28分の1なのに報酬は7倍 |
現行の報酬体系は、事業実態と大きくかい離しているといえます。月額制から日額制への転換は、この状況を是正するための対応です。移動時間を最大限に見積もっても、改正案の水準は十分に公平かつ妥当なものです。
安竹は令和8年9月7日付で説明資料を作成し、組合議会の各議員と管理者・副管理者へ送付しました。議員提出議案の提出には、安竹のほか1名以上の議員の賛同が必要で、10月2日まで賛同を募っています。11月18日に開催予定の組合議会に提出する予定です。
議員提出議案と、その検討のために作成した資料です。令和8年9月7日付で組合議会の各議員と管理者・副管理者へ送付しました。
- 報酬・給与見直し議案の説明資料 — 本ページでまとめている内容の元にした説明資料(図表を含む)
- 湖南衛生組合議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の改正案(新旧対照表) — 議員提出議案
- 湖南衛生組合特別職の職員の給与に関する条例の改正案(新旧対照表) — 議員提出議案
- 湖南衛生組合議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例(溶け込み版) — 可決された場合の条文
- 湖南衛生組合特別職の職員の給与に関する条例(溶け込み版) — 可決された場合の条文
- 平均俸給月額・地域手当等:人事院「令和8年人事院勧告 参考資料」第2表(令和8年国家公務員給与等実態調査・行政職俸給表(一)適用職員・令和8年4月・俸給342,178円・地域手当等45,912円)
- 超過勤務手当の1時間単価 =(俸給342,178円+地域手当等45,912円)×12÷(1週間の勤務時間38時間45分×52週 ≒ 2,015時間)×1.25 ≒ 2,890円/h
- 算式は給与法第19条による。超過勤務手当は当該1時間当たりの給与額の125%に相当する
- 東京都最低賃金:厚生労働省「東京都最低賃金を1,280円に引上げます」(令和8年9月1日)
- 湖南衛生組合議会 令和8年度第1回定例会会議録、令和7年度第2回定例会会議録(組合HPで公開)
- 各組合の処理能力:各組合の公表資料(組合HP・処理計画等・令和8年9月時点)
- 構成市町村の表:「東京都の汚水処理に関する広域化・共同化計画」表4-3-3
ご検討に当たって:想定されるご質問へのご回答
Section titled “ご検討に当たって:想定されるご質問へのご回答”Q1. 議員は選挙で選ばれた特別職です。審議会等の委員と同じ水準の日額とする根拠は何ですか
Section titled “Q1. 議員は選挙で選ばれた特別職です。審議会等の委員と同じ水準の日額とする根拠は何ですか”議員も審議会等の委員も、地方自治法上の「非常勤の特別職」です(議員:法第203条、審議会等の委員:法第202条の3)。報酬は職務に対する対価ですから、職務の実態(本組合議会の場合は年2回・各2時間未満)に応じて定めることが基本と考えます。本組合の議会は、年数回・1回数時間の会議に出席する審議会等の委員と性質が酷似していることから、実在する武蔵村山市の条例(審議会等の委員報酬)を基準としました。
Q2. 物価が上昇しているのに、報酬を引き下げてよいのでしょうか
Section titled “Q2. 物価が上昇しているのに、報酬を引き下げてよいのでしょうか”物価スライドが意味をもつのは、事業規模や職務量が変わらない場合です。本組合の事業規模はピーク時の約100分の1、搬入量は約1,000分の7に縮小し、議員や特別職に求められる労力・専門性は大きく低下しています。物価を考慮しても、時給換算で最低賃金(1,280円)の約33〜50倍となる現状の水準が、職務量に見合ったものとは考えられません。
Q3. ほかの衛生組合(多摩川・柳泉園など)には、本組合より高い報酬の組合もあります
Section titled “Q3. ほかの衛生組合(多摩川・柳泉園など)には、本組合より高い報酬の組合もあります”報酬が本組合より高い組合(多摩川・蕨戸田・柳泉園)は、いずれもごみ処理等の大規模な事業を併設しています。し尿処理だけを担う専業の組合に限ると、本組合の報酬は調査した範囲で最高額です。また、処理能力は調査した組合の中で最も低く(7.0kL/日)、事業規模と報酬の関係が逆転しています。
Q4. 会議以外の議員活動(資料の調査や住民対応など)は、報酬の対象にならないのですか
Section titled “Q4. 会議以外の議員活動(資料の調査や住民対応など)は、報酬の対象にならないのですか”現状、本組合の議員としての活動は議会への出席が中心です。本組合の議員報酬は、条例上、議会の会議に出席した日に対して支給するものです(改正案第2条)。資料の調査や住民対応等は、構成市の議会議員としての活動と重複するものです。なお、視察など組合の公務のため構成市の地域外へ出張した場合の交通費・日当等は、報酬とは別に、費用弁償として条例(第8条)に基づき支給される仕組みです。
Q5. 日額制にすると、欠席した場合の扱いはどうなりますか。欠席が増えることはありませんか
Section titled “Q5. 日額制にすると、欠席した場合の扱いはどうなりますか。欠席が増えることはありませんか”報酬は議会に出席した日のみ支給し、出席しなかった場合は支給しないことになります。これは「職務(会議出席)に従事した日に報酬を支払う」という日額制の原則に沿った扱いです。本組合の監査委員の報酬はすでに日額制ですが、これまで議会運営に支障は生じていません。会議への出席は公職としての責務であり、報酬の有無によって出欠が左右されるものではないと考えています。
Q6. 監査委員の日額(24,000円・議会選出14,000円)より、議員の日額(11,000円)が低くなるのはなぜですか
Section titled “Q6. 監査委員の日額(24,000円・議会選出14,000円)より、議員の日額(11,000円)が低くなるのはなぜですか”監査委員には、議会への出席とは別に、帳簿検査や監査報告書の作成といった実質的な監査業務があります。会議への出席が中心の議員とは、職務の内容と量が異なるため、日額に差があります。監査委員の報酬は、すでに日額制として職務実態に沿った水準にあるため、今回の見直しの対象とはしていません。
Q7. なぜ武蔵村山市の審議会等の委員報酬を基準とするのですか
Section titled “Q7. なぜ武蔵村山市の審議会等の委員報酬を基準とするのですか”本組合はこれまで、職員の報酬及び勤務条件について「原則として、所在地である武蔵村山市の例に倣って」整備してきたことを、組合議会の場で明言しています。構成市であり組合施設の所在地でもある武蔵村山市の、実在する条例の金額を基準とすることで、恣意性のない客観的な金額となります。
Q8. これまで20年以上、報酬が見直されずにきました。なぜ今、見直すのですか
Section titled “Q8. これまで20年以上、報酬が見直されずにきました。なぜ今、見直すのですか”本組合の報酬は、平成13年度の改正以降、20年以上据え置かれてきました。その背景には、次のような事情があったと考えています。
- 一部事務組合には、国や都道府県の職員のような定期的な給与・報酬の見直しの仕組みがなく、報酬が自然に見直される機会がありませんでした
- 組合議会は付託された案件(予算・決算・条例など)の審議が中心で、議員自らが報酬を議題として提案する機会もありませんでした
- また、報酬の水準が適正かどうかを判断するための材料(同種組合との比較や、会議実態の時給換算など)が、これまで整備されてきませんでした
今回、令和5年の立川市・国分寺市の加入を経て、あらためて組合の制度全体を点検する機会が生まれました。あわせて、本資料でお示ししたように、同種組合との比較や事業規模・会議実態のデータを数字で示すことができるようになりました。このため、議員の一人として、具体的な見直し案を提出することとしたものです。報酬のあり方については、議会の皆様とともに議論を続けていきたいと考えています。
Q9. 令和5年に立川市・国分寺市が加入して構成市が増えましたが、今、見直す必要があるのですか
Section titled “Q9. 令和5年に立川市・国分寺市が加入して構成市が増えましたが、今、見直す必要があるのですか”立川市・国分寺市の加入は、既存の受け皿(下水道への前処理希釈投入施設)を活用するもので、加入後も処理能力は7.0kL/日(ピーク時の約1.1%)です。議会の職務量が増えるものではありません。会議の実態(年2回・各2時間未満)と事業規模が、現行の月額報酬の前提と大きくかい離している状況は変わらないため、見直しを行うものです。
Q10. 小村大(小平・村山・大和衛生組合)はごみ処理が主体の組合で、本組合と比べるのは適切ではないのでは
Section titled “Q10. 小村大(小平・村山・大和衛生組合)はごみ処理が主体の組合で、本組合と比べるのは適切ではないのでは”資料4-2のとおり、小村大はごみ処理(焼却・資源化)が主体で、本組合よりはるかに大規模な事業を担っています。本組合の報酬は、従来「小村大に合わせてある」と説明されてきた経緯があるため、参考として比較しました。小村大の議長報酬(月額18,000円)と比べても、本組合(月額35,000円)は約2倍の水準にあります。
Q11. 管理者・副管理者は、議会以外の会議(正副管理者会議など)にも出席しますが、報酬の対象になりますか
Section titled “Q11. 管理者・副管理者は、議会以外の会議(正副管理者会議など)にも出席しますが、報酬の対象になりますか”改正案の第3条では、議会の会議に加えて管理者が招集する会議(正副管理者会議など)に出席した日も給料の対象としています(給与条例第3条)。もっとも、本提案の主眼は、実態(年2回の議会)に合わせて報酬を適正化することにあります。
Q12. 監査委員の報酬の扱いは変わらないのですか
Section titled “Q12. 監査委員の報酬の扱いは変わらないのですか”金額は変わりません(日額24,000円・議会選出14,000円)。監査は管理者が招集する会議への出席ではなく、監査委員が条例に基づき行う職務であるため、このため改正案では、管理者と副管理者の給料とは別の項(第3条第2項)に整理しています。
Q13. 改正はいつから適用されるのですか
Section titled “Q13. 改正はいつから適用されるのですか”公布の日から施行し、令和9年4月1日から適用とする予定です。それまでの報酬は現行どおりで、急激な変更による混乱はありません。